慶應義塾大学77(21-21,16-19,18-22,22-18)80
拓殖大学
竹内公輔不在の中、ベスト8まで進出した慶應大。一方電鉄杯ではいいところが出なかったが、トーナメントで調子を上げてきた拓殖大。両者の激突は昨年の入れ替え戦以来半年で5度目、拓殖大の全敗となっている因縁の対決である。
試合は前半から接戦を演じ、両チームともエースが活躍する見応えのある試合に。だが後半、高さのない慶應大に対してゾーンを敷いた拓殖大がリード。慶應大も#20小林(1年・G・福大大濠)の連続3Pで粘りを見せるが、最後は#4酒井(4年・F)に仕事をさせなかった拓殖大が逃げ切り、ようやくその無念を晴らした。
(写真:最後のハドルで確認を行う拓殖大)
詳しいレポートと拓殖大・小野選手、宇田選手、慶應大・酒井選手のインタビューは「続きを読む」へ
■GAME REPORT■

1Qは慶應大#20小林が気を吐いた。スティールからの速攻、ドライブを立て続けに決めると#4酒井(4年・F)、#9香川(3年・G)も好調さを伺わせるシュートを決める。拓殖大も司令塔に据えた#5小野(4年・G)が落ち着いてゲームをコントロール。#10長谷川(4年・C)、#7宇田(3年・F)の得点源が慶應大のディフェンスをうまくかいくぐって得点を重ねる。どちらもお互いの特色を出した1Qは21-21の同点に。
開始早々ターンオーバーが続く慶應大。高さでは劣る分、ゴール下の攻防では不利である。拓殖大は#16山田(2年・G)、#11寒竹(2年・F)らも奮起、一時は慶應大に対し7点のリード。だが慶應大も#4酒井、#20小林の3Pで同点に追いつき、#4酒井のこのQ2本目の3Pで逆転する。流れを失いかけた拓殖大は#4酒井へのディフェンスの寄りが厳しくなる。すると、慶應大はターンオーバーを連発。結局前半は拓殖大に再び逆転されて3点差となった。
後半、拓殖大はディフェンスをゾーンにシフト。高さのない慶應大には厳しい展開となる。#10長谷川にピタリとつかれた#4酒井にボールが入れられず、何度もミスが出てしまう。その間、拓殖大は#16山田、#7宇田らが気持ちよく得点を重ねていく。特にこの大会冴え渡っている#7宇田と#10長谷川のコンビが得点を量産。慶應大は全くディフェンスが追いつかない。苦しい状況の中、#20小林、#11小松(3年・G)がそれぞれ2本ずつ3Pを入れ、なんとか大きく離されないまま勝負は4Qへ。

慶應大のオフェンスがことごとく失敗するのに対し、拓殖大は#10長谷川、#16山田が点数を稼ぐ。慶應大は開始2分で12点のビハインド。だが、ここからまたも1年生の#20小林が追撃のきっかけを掴む3Pを決めると、#9香川の3P、そして更に#10長谷川に後ろから触られて体制を崩しながらも#20小林が再び3Pを入れて一気に1点差。昨日「25点取る」との宣言をほぼ遂行する24点目を上げる。この後5ファウルで退場となるも、温かい拍手が寄せられた。拓殖大は#7宇田、#11寒竹、#10長谷川らが返して再び点差を開くが#4酒井に対し3Pのファウル。そして#4酒井のドライブで再び慶應大が1点差に。勝負は最後の1分にもつれ込んだ。残り49秒、慶應大#10加藤が同点ゴール。だが#10長谷川がゴール下を粘って返すと拓殖大の2点リードに。慶應大はフィニッシャーである#4酒井にボールが入らないままタイムアップを迎え、拓殖大が挑戦5度目にして歓喜に沸いた。一方慶應大には勝ちきれないという課題を残す結果となった。
◆#5小野公太郎(拓殖大・4年・G)
専修大戦からのスタメン起用。
常に声を出しチームをまとめる姿が印象的だった。
チームの精神的柱となり、安定感をもたらした。―5位という結果をご自身、どのようにとらえていますか。
「目標はベスト8だったんですけど、試合を重ねるごとに、このチーム強くなってるな、成長してるなって分かってたし。青学に負けたけど、あそこで集中力が切れないで、早稲田戦成長したし、慶應戦もみんながんばったし、そういう意味で力ついてきたなと。この大会で1部のチームを3つ倒せたのがチームにとって大きなことだったと思います」
―負けてからが強かったと感じました。青学戦後になにかあったのでしょうか。
「特別なことはないんですけど、青学で負けた後に寮で結構長くベンチ入ってるメンバーも入っていないメンバーもみんなでミーティングして、色々しゃべって。このままずるずる行ったら去年みたいになっちゃうんで、もう一回変わろうって。みんなで何かやろうってなった時の団結力は今年あると思うんで、そこで早稲田戦は最初から盛り上がって一気に行きました。僕らの持ち味はディフェンスから速攻だと思っているんで」
―小野選手は専修大戦からスタメンで起用されましたよね。
「スタメンは初でしたね。今までは柳澤(#13・3年・G)がスタメンで宮城(#8・2年・G)と俺の3人で回してて、専修に2番ポジションに喜多川(#32・3年・PG)いるじゃないですか。あそこを山田(#16・2年・G)だけじゃ苦しいってなって、柳澤を2番に下げるから俺と宮城でやっていけって。まだ宮城は経験浅いから最初から出るのはプレッシャー大きいからお前が出ろって言われて。『マジで?初だ、やべぇ』って感じで(笑)。ヤバイってなったけど、チャンスだと思ったしがんばろうと思いました」
―でも落ち着いていましたよね。チーム自体も安定してたように思えました。
「池内さんも自分が派手にシュート決めたり、点数とることは期待していないと思う。期待してるのは声出したりディフェンスがんばったり、速攻で速いテンポ作ったりするところだと思うんで、自分も意識して声出してみんなをまとめようと思っていました」
―4年生の存在の大きさを感じました。
「猪崎(#4・4年・F)とかもあんま試合に出てないけどチームまとめてるし、長谷川も何も言わなくてもプレー見てればみんなついていくし。後輩も4年生に頼るとかいうレベルじゃないんで。逆に後輩のプレーを見て引っ張られるし。そうすれば俺らもたらたらやってられないって刺激になるし。今はみんなで刺激し合っています」
―選手層が厚いですね。
「そうですね。練習で5対5をやっても1番目のチームと2番目のチームがどっこいどっこいだったりするし、池内さんの中でもメンバーを試したりしていて、試合に出れる選手が増えたと思いますよ。いいことです」
―トーナメントを通して課題は見えてきましたか。
「シュート力。あと青学とやってみて、青学は40分間集中してきたから。青学はきつい練習に耐えてやってきてるから、自分らも練習から。トーナメント中に成長できたから、今度は練習から集中力が持続できるようにすれば、試合でも40分間集中できるようになると思うんで」
―最後に、夏からリーグに向けての意気込みをお願いします。
「これで終わりじゃないし。さっき勝ってベンチで盛り上がって、『これって燃え尽き症候群じゃないよね?これで俺ら終わりにならないよな』って話してて、でもみんな『このチームはまとまってるから大丈夫でしょ』って。本当にまとまっているから、4年生がしっかり引っ張っていかなきゃいけないし、練習もきつくなっていくと思うから、リーグでは1番になれるようにがんばっていきたいと思います」
◆#7宇田康利(拓殖大・3年・F)
抜群の運動能力で得点を量産。
この大会で存在感を十分に発揮し、
名実共に拓殖大のエースへと成長を遂げた。―昨日・今日とブレイクが多く出て、いい形での勝利が続きましたね。
「チームがいい状況はディフェンスがんばって、リバウンドとって、ブレイクが出てる状態だっていつも言っているんで、みんな意識してそういう風にゲームを作ろうって。それがこの2日間は出来ていて良かったんだと思います」
―慶應大とは今まで何回か大事なところで当たってきて、因縁のようなものがありますよね。
「(笑)。さすがにそろそろ勝たないとっていうのはありましたね。勝てて良かったです」
―去年の4年生が抜けたことで、攻撃面で宇田選手の割合が多くなってきてると思います。それについてどのような意識を持ってやっていますか。
「去年は4年生に頼っていたんですけど、上級生になって、上級生で試合に出ている人が少ないから、自分が頼られる存在にならないとっていう意識からですかね(笑)」
―存在感があるなと思いました。
「ありがとうございます(笑)」
―5位でトーナメントを終えましたが、宇田選手自身はこの結果をどうとらえますか。
「5位という結果は嬉しいですね。ベスト8に入ってから青学に大差で負けて、それからチームを立て直して2勝できたことは次に繋がると思うので」
―良く切り替えられましたね。
「そうですね、去年までは負けちゃったらずるずると引きずっちゃう感じだったんですけど、今年は次ってみんな気持ちの切り替えがちゃんと出来て、いいチームだと思います」
―トーナメントを終えて、どのような課題が出てきましたか。
「チームとしての課題は、青学とやったときみたいに出だしが悪いのと、まだまだみんな走れない。体の強さも違うし、精神面も弱くて、まだまだやることはいっぱいあるなって。みんな青学に負けて痛感して、そこでまた意識が高くなって、これから悪かったところを良くしていくんじゃないですかね」
◆#4酒井泰滋(慶應大・4年・F)
得点王とリバウンド王をダブル受賞。
その他のランキングでもことごとく上位に食い込み、
万能なオールラウンダーぶりを見せつけた。−このトーナメント、どうでしたか?
「疲れましたね。ウチは他より1試合多い6試合ですから(笑)」
−最終戦は拓殖大のゾーンにはまってしまいました。
「この時期にゾーンを仕掛けてくるとはちょっとやられたという感じでした(苦笑)」
−慶應大の良いところと悪いところが両方出た大会だったと思います。
「そうですね。最後を勝ちきれなかったところは悪い面ですね。法政大戦も拓殖大戦も勝てた試合だった。そこをもっとあげていかなければ」
−逆に竹内公輔選手がいなくてもここまでできたのは上出来だったと思います。昨年なら彼がいてもやっと勝てる内容だった。
「でもいなくても勝たなければいけなかった。その点は大きな反省点です」
−3年生たちは随分成長したと思いますが、まだ甘い部分もありますね。
「状況判断はまだまだだと思います。ガードはその時一番いい選手にパスを供給しなければならない。でもそういう部分がまだ見えていない時があります。これからそういう勝負どころのゲームメイクを詰めて、プレイの精度を高めていきたいです」
−酒井選手は昨年不利な状況の中でも「自分は勝てると思っている」と言い続けてきました。インカレ制覇の主力だったし、勝つことの意味を分かっている。それを今年はチームに浸透させていく必要がありますね。
「その通りです。勝ちに対するがむしゃらさはまだ足りないと思っています。学年の縦と横をしっかり一つにすることが今後重要になってくる。この後の早慶戦、リーグ戦と続く中でチームを一つにしていきたいですね」
テーマ:バスケットボール(日本) - ジャンル:スポーツ